2012-11-14穴がない虫こぶの謎解明=アブラムシの液体排せつ物吸収―内部スポン
穴がない虫こぶの謎解明=アブラムシの液体排せつ物吸収―内部スポンジ状に・産総研
害虫 | |
アブラムシの好む木があったんですね!
関東以西に分布する常緑広葉樹イスノキに穴のないボール形の虫こぶを作るアブラムシは、虫こぶの内壁に針を刺して甘い汁を吸った後、液体の排せつ物を内壁のスポンジ状組織に吸収させているため、こぶの中で排せつ物で溺れ死ぬ心配がないことが分かった。産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の沓掛磨也子研究員や深津武馬研究グループ長らが14日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。
沓掛研究員らは、アブラムシが植物の形や機能をどのように操作しているかを解明するため、遺伝子の変化を網羅的に調べる方針。
この「モンゼンイスアブラムシ」は、イスノキの芽に何らかの物質を注入し、直径5~10センチのボール形の虫こぶを作らせる。完全閉鎖状態で最大2000匹超が2年以上生息し、最終的に羽が生えた段階で穴を開けて飛び立ち、次の寄生先の木に移る。
アブラムシの中には開口部のある虫こぶを作る種がいて、その場合は兵隊役の幼虫が液体排せつ物を開口部から捨てている。沓掛研究員らは完全閉鎖型の虫こぶではどのように処理しているか不思議に思い、モンゼンイスアブラムシの虫こぶを切断し、赤く染めた薄い砂糖水を内部のスポンジ状組織に注入した。その結果、水や養分を運ぶ維管束が赤く染まり、吸収されることが分かった。
液体排せつ物は糖分の濃度が高いと吸収されにくいため、糖分の大部分を炭水化物の白い粉に変え、液体の濃度を下げていることも明らかになった。
時事通信 11月14日(水)1時17分配信
野菜類には殺虫剤をかけたくないので、天然の対策が必要です。